
AIの活用と人類の幸福を考える上で避けて通れないのは、人文学と自然科学との協業です。科学はあくまでも幸福に資するものでなければなりません。ですからAIと世界とがどののような関係を取り結ぶべきなのかは、AIの専門家のみでは判断できないのです。確かに自然科学は地球を救う手段でもありますが、時には地球を壊し、時には人間の精神を脅かします。地球の破壊現象については自然科学者自身が先導して解決に当たれますが、人間の内面の問題については、人文学系統の専門家でなければ対処できません。いえ、正確に言えば、世界規模で生じる問題に関しては、学際的な関わり方が求められます。AIと人間との関係は、正に学際的に考えていかなければならない問題です。人間は自分で物事の本質について考え、問題解決方法を模索する生き物です。その人間に対して将来のAIがどのように振舞うのかは、今のところ未知の領域です。恐ろしい事態が生じないとも限らないため、今の内に予測しておく必要があります。AIとよく比較されるのは、核兵器です。核兵器は科学の産物ですが、今では「悪魔を産んでしまった」と嘆く科学者もいれば、「核戦争には至っていない」と主張する科学万能論者もいます。AIが第2の核兵器にならないとも限りません。さて、AIと人間とのこれからを考える上で、まず最初に提起したいのは意志の問題です。ここで言う意志とは、もしAIを手段として捉えるのであれば、それに応じた目標設定、すなわち自らの幸福の定義を、人類は持つことが出来るのかということです。AIが進化した先に便利な世の中が待ち受けているのかもしれませんが、それを人類が究極的な目標のための何であると捉えるのかがまだ見えていません。そして求人サイトを始めとするサイト制作・運営を行う上でも、AIの活用は必須と言ってよいでしょう。